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2010年9月24日 (金)

認知症高齢者の徘徊について

うちの町内には町内放送が流れます。
スピーカーから今日も「高齢者の行方不明」の情報が流れてきました。
だいたい月に1回ぐらいのペースではないかと思うのですが、記憶にあるかぎり同じ人が繰り返している訳ではないようです。それだけ認知症の高齢者を持つ家庭が多いのでしょうね。
こんなとき家族はさぞ心配していることでしょう。
認知症高齢者の行動には、何らかの理由があるわけで、適切なコミュニケーションをとる上で僕ら介護者は本人の行動の意味を理解するよう努める姿勢が必要だと、常に感じています。
 健常者が「徘徊」と、まるで意味不明の異常行動のように感じている行動も、本人にしてみれば当たり前の行動をしているだけ。

ひとつ認知症の利用者さんを例に挙げる。

勤務先の同グループ内の認知症高齢者グループホームに手伝いに行った時の話。
ある大雨の日。
一人の利用者さんが落ち着きがなく席を立ったり座ったりソワソワしだした。
そのうちに突然、「家に帰らなきゃ。」と言い出し外に出ようとする。
僕「用事があるんですか?」
利用者「この雨だと家に居る娘が心配なんだよ。」
僕「そうですね。ただ今は雨がひどいので止んでからにしましょう。」
利用者「うちは川の近くだから帰ってあげないと、子供だけでは心配で。」
僕「それは心配ですね。電話してみます?」
利用者「そうしてくれる?」
僕「娘さんしっかりしてらっしゃるから、きっと大丈夫でしょう。」電話を掛けにいくフリをして離れる。
戻って来て、僕「娘さん、心配ないとおっしゃっていました。安心ですね。」
利用者「よかった。」

数分後、また最初から繰り返す。。繰り返す。。
そのうち雨がやみ「よかった。雨が止んだので、もう心配ないですね。」と終わった。

この利用者さんの家は現在はもうありません。もう2年もグループホームで暮らしており、娘さんの歳は50代でしょう。
この方はきっと、「幼い娘を一人家に置いて外出している(50年前の)自分」になってしまっているのでしょう。本当にそういう状況なら、家に帰りたくなるのも当然ですよね。
たまたま解りやすい事例だったので挙げました。

施設等では当然、見守りしていますので、外に出て行ってしまうようなことはありません。(事故例としてはあるかもしれませんが。)
一般家庭では、なかなか24時間見守り出来ないでしょう。
仮に、出て行ってしまい、歩いて自分の若いときに住んでいた家に向かって(向かっているつもり)歩いて行けば、そこに求める家はない。まちがいなく迷子になってしまうでしょう。

いつも行方不明の放送を聞くと、あの雨の日の心配そうな利用者さんの顔が浮かびます。

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